2012/03/03

水腎症-尿管ステント留置

退院しました。水腎症のため経尿道的尿管ステント留置術。仙骨硬膜外麻酔と尿道のゼリー麻酔だけなので意識はあり、横にある3台のモニター画面を見ることができました。初回は硬性膀胱鏡(金属鏡)を使用するとのこと、2回目からは軟性膀胱鏡だそうです。太くて直線的な金属鏡と開脚姿勢で固定される検診台を見て悪寒が走りました。正直、痛いし暴行鏡。経験豊富なドクター達と看護師達を信頼して耐えるしかありません。X線のモニターで見えるだけに異物感や痛みが体内のどの場所で起っているか視覚化される経験、膀胱鏡に沿わせてガイドワイヤーでダブルJステントが腎臓まで届き、くるっと丸まった時の安堵、これを3ヶ月おきに繰り返さなければならないなんて、かなり複雑です。術後のバルーンカテーテルの留置は必要ありませんでした。感染症もなく、血尿、排尿時の痛み、膀胱の異物感(26cmのステント)は数日続きましたが、経過は良好なようです。翌日の血液検査でヘモグロビン濃度(Hb)が6.5g/dlになっていたので、赤血球濃厚液(RCC-LR-2、照射)の輸血をしました。初めてで緊張しましたが、眠気に襲われ殆ど寝ていました。オキシコンチン、オキノームの説明も受けました。病院ごとに緩和ケアのガイドラインがあるようで、僕が受けたかった処方は難しいようでした。副作用対策のため、オキノームを使用するには、オキシコンチンの継続使用をまず始めること。ドクターと良く話して、NSAIDsの総量を増やして対処して様子を見て、痛みが強いようならオキシコンチンに移行することにしました。胃腸障害の副作用が強いボルタレン(ジクロフェナク)ではなく、COX-2(シクロオキシゲナーゼ)を阻害するセレコックス(セレコキシブ)をロキソニンと併用してみます。次の血液検査で、クレアチニン(Cre)が高ければTS-1の服用は中断、ヘモグロビン濃度が低ければジェムザールの投与の中断があります。養生です。
オンコセラピー社ペプチドワクチンについてのNHKの2月28日の取材の件が、2月29日にオンコ社より発表がありました。がん治療用ワクチン、OTS102(エルパモチド)の有効性が無かったという発表は残念な結果ですが、本当に残念なのは臨床試験に参加した153人の患者さん達だと思います。二重盲検比較試験である以上、臨床を受けても半数の患者さん達には最初から残念であることも付け加えておきます。同時に発表された今後の開発方針についてのお知らせでは、OCV-C01について書かれています。2月6日の発表とは異なり、抗腫瘍効果とオンコアンチゲンという言葉が強調されています。新生血管阻害作用を前面に出していたのに不思議です。OCV-101も継続開発しているようです。OCV-105はどうなったのでしょうか。創薬ベンチャーにありがちな右往左往する投資家向けの開示資料だけでは、患者にとっては迷いが増えるだけだと思います。中村氏もシカゴ大学に移籍が決まっていますし、「日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」、今後どうなるのでしょうか。
ビスモデギブ(Vismodegib、Erivedge®カプセル、Genentech社)がFDAで承認されました。こちらも気になります。
お見舞いのお水が届きました。醍醐寺にも参りたいです、ありがとう。