2012/02/06

ペプチドワクチン(1)

今朝のNHKの番組、あさイチで放映されたペプチドワクチンは大反響だったようです。初頭の千葉徳洲会病院の膵臓癌の30代女性のワクチン投与後1年4ヶ月での完治映像は衝撃的でした。本日発表されたオンコセラピーサイエンス社の、がんペプチドカクテルワクチン療法剤OCV-C01第Ⅲ相臨床試験(治験)開始のお知らせに合わせての特集なのでしょう。中村祐輔氏(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター)も出演されていました。中村祐輔氏はオンコセラピーサイエンス社の第1位株主です。オンコ社は膵臓癌では、OTS102(扶桑製薬)、OCV-101とOCV-105(大塚製薬)と数種のペプチドワクチンを治験中です。オンコ社の関連会社である未来医療研究センターも徳州会グループの病院等でも治験を行っています。NHKでの冒頭の病院も徳州会でした。このビジネスへのNHKの加担にも驚きました(中村氏は本日のオンコ社の株価上昇で2億円超の株式評価益です)が、これまでもがんワクチンを巡り、誰が開発者であるかとか朝日新聞訴訟等なにかと話題が絶えませんでした。本日のNHKを観て、大きなお金の流れと医療の変革を感じたのは僕だけでしょうか。これまでの対処療法中心の化学療法や放射線治療と違い、ワクチン療法は新たな視点の基準がないと評価できないものです。今後の日本の医療保険制度と膵臓癌の診療ガイドラインの動きが気になります。たまたま、門脈圧亢進と消化管静脈瘤等を調べていた時に、ワクチンの治験経緯に行き当たり予習していました。末期癌の自分としては、治験に大変興味があります。中村氏の研究室のワクチン療法の2月3日のお知らせでは、本日時点での膵臓癌での治験は和歌山県立医科大学(標準療法不応・術後再発予防)のみで実施予定のようですが、問合せしたところ詳細は未定でした。山口大学では未治療進行癌が対象です。川崎医科大学もです。その他にもペプチドワクチンとしては大阪大学のWT1ペプチド免疫療法テラ社の樹状細胞ワクチン療法(WT1)もありますが、膵臓がんに関してはオンコ社の千葉徳洲会病院の膵臓癌女性に使われたもののデータを調べてみようと思っています。