メディアを賑わせているトピックスはとてつもない情報量とスピードで日々変遷しています。癌の発見手法、新旧の抗がん剤、開発中の多種のペプチドワクチンや既存のワクチン療法、免疫療法、テーラーメイド医療、次世代放射線治療(陽子線、重粒子線、炭素線等)、内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチS(da Vinci Surgical System)」等の外科的進歩、再生医療(iPS細胞の応用やES細胞の可能性)等。行政や立法も動いています。未来の利益の取り合いや足の引っ張り合いも目にします。でも確実に、先端医療推進国のひとつである日本の官民あげての医療の進化は今後期待できるでしょう。ただし、こういう恩恵が享受できるのは世界の70億人の数%だということも事実です。グローバリゼイションの問題も深刻化しています。日本を含め、ますます富裕層のための医療の開発が行なわれ、格差は開く一方の状況です。自分はマイナーな末期癌患者で、近年20年程、先端医療から置いてけぼりの不遇な状況にありますが、不満はありません。今、出来る事を冷静に判断するだけです。腹膜播種があるので今の段階では次世代の放射線治療も無理。ジェムザール耐性後の他剤の感受性試験の結果を見ても奏功性は高くないし、数種のペプチドワクチンも同程度の奏功性。それでも年齢と身体の丈夫さを考えると、ワクチンの治験が一番奇跡に近いような可能性があります。先ずはHLAタイピング(ヒト白血球型抗原型の判定)です。調べてみると、臓器移植の組織適合にも利用できるため、臓器売買懸念で特異な情報であること、専門病院でも検査できるが混合診療となるので、すべての診療代が保険適応外になり、病院では検査出来ない、HLA研究所の検査代は6300円(樹状細胞療法等のクリニックでは10万円弱とる所もある)であると。治験ワクチンの病院探しも、困難なようですが、地道に行くしかありません。悔やまれるのは、腫瘍マーカーが一時正常値まで落ちていた昨年の春眠を貪ってた頃に温熱治療を始めていればどうなっていたか。やっぱり、運任せです。