2012/02/18

PET-CT(5)

雪が舞って珍しく一面真っ白ですが、とても疲れています。昨日、朝から夕方までPET-CT検査、診察、通院治療、温熱療法をしました。心配していた血液検査でのヘモグロビン濃度ですが、前回と同程度のジェムザール投与の下限7g/dlぎりぎりで、赤血球濃厚液-LR-2の輸血は見送りました。ただ何故かクレアチニン(Cre)が上昇していて腎機能不全が疑われるという事で、TS-1の服用を一週間中断することになりました。様子をみます。PET-CTのクイックヴューでは、また少し進行していました。腹膜播種結節は十二指腸周辺部に最も集積し、骨盤底や腹腔内に小さいのが数箇所にちらほらと。膵尾部の原発巣はあまり集積していませんでした。腫瘍マーカーも上昇気味です。消化管の失血に関してドクターと話をしました。門脈圧亢進や静脈瘤の兆候は今のところ無い。胆管、十二指腸周辺が失血箇所として疑われるとのこと。前回ハイパーサーミア翌日に黒い便が出たので、ステント箇所の炎症による出血も疑っていましたが、今回は正常でした。ヘム鉄の飲み始めで黒くなったのか、その時だけ出血があったのか、こちらも様子をみます。今回の安心材料は下部消化管周辺の腹膜播種が小さいので近々の閉塞は無いだろうということです。問題があっても十二指腸。まだまだ前を向いて治療に専念できる時間はあるなあと。
抗原特異的免疫療法であるペプチドワクチンについて進展ありました。何箇所かの病院の担当者と話が出来ました。臨床なので口外できることが少なく、僕がかなり詳しく突っ込むので、どうしてご存知なんですかと何回も聞かれましたが、結局思っていた通りでした。3月に始まるオンコセラピー社と大塚製薬の治験の薬剤は、僕が目的としている効果が薄いこと。抗腫瘍効果が期待されているOCV-105の募集は現在終わっていて、今後の予定は未定であること。友人とメールをしていて思ったのですが、免疫療法やワクチンと名のつく療法は以前から多様にあります。全国のクリニックで行われている各種免疫療法やワクチン療法(すがるもののない患者へ最後の望みを持たせるためだけに高価なものもあります)、全癌を対象にしているものから、膵臓癌だけを対象にしている臨床試験もあります。久留米大学のテーラーメイドがんペプチドワクチン療法や大阪大学のBCG-CWS併用WT1ワクチンも興味深いです。ただ個々の療法は全く違うものだというのを認識してよく理解をしてから臨むべきものです。ある子宮系の癌のワクチンの臨床試験結果で21人中16人の症状が悪くなったという結果もあります。療法の広告や営業トークだけでなく、第三者や信頼できる人の意見を求めるべきです。2月初頭のNHKのペプチドワクチンの放映も、将来の医療の方向としての番組であって、先ずは単剤の認可が行われるかもしれないという程度です。ゆくゆくはペプチドワクチンは遺伝子型と適正と対象疾患に併せて複数投与される医薬品だと思っています。薬剤Bの衝撃的な映像を見て、薬剤Aの治験で夢が叶うといった単純なものではありません。ただ薬剤の効果は患者それぞれだと思っています。奏効率が低くても奇跡が起こる時もあります。受ける際には希望と信念を持って臨んで欲しいものです。
これも友人からの案内なのですが、各地でイベントも行っているパンキャンジャパン(パープルリボン)が、3月17日にハービス大阪で関西アフィリエート膵がん勉強会を開催するようで、神戸大学医学部付属病院の松本逸平氏が講演されるようです。差し支えなければ是非映像配信していただきたい。