2012/01/15

ジェムザールとCDA

パデュー大学の福永氏等(2004年)国立がんセンター中央病院の米盛勘氏等(2005年)、国立医薬品食品衛生研究所の杉山永見子氏等(2007年)、国立がんセンター中央病院の上野秀樹氏、奥坂拓志氏等(2008年)の研究成果で、ジェムザールが奏功しやすいかを調べる方法があるようです。CDA(シチジンデアミナーゼ)という酵素が、膵臓癌でのジェムザールの代謝や分解に関係する酵素のようです。2011年のASCOでも発表されています。ステージIVの171人のジェムザール投与患者で調べたところ、CDA活性高い患者と低い患者では生存期間に開きがあるようです。CDAの遺伝子型の調査では、CDA*3が陰性の患者(65+81人)の平均生存期間が5.4から6.9ヶ月に対し、CDA*3が陽性の患者(5+5人)の平均生存期間が11.7から17.3ヶ月という結果です。凄い開きです。CDA*3が陽性の患者の全体数は少ないようですが。現在、ジェムザールがメインである進行膵臓癌治療ですが、抗がん剤は多剤あり選択肢も広くなってきています。副作用のことも踏まえ、これからの医療で考慮されるべき内容だと思います。(興味のある方は、ゲムシタビンとCDAで検索してみて下さい。)